文字に起こすってこと

広々とした窓ガラスのついたバスのいちばん前の席にどしんと座る。走り出すと360度見える生の映画を見てるような気分。言葉が軽快に降ってくるのを自分はただ拾って文章にしてくだけの箱。

変わりゆく景色を眺めながら作業して、手を止めてはまた外に見入る。また降ってきたらそれを雑多に書き下ろす。単純で心ときめく作業。

文章って読み返してちょっとわからないくらいの方がおもしろいんだよなって気づく。人に全部わからせようとか、自分が全部わからなくちゃなんて思わなくてよくて、思いやりに欠けるくらいの方が心地よい。

だから打ち込むパソコンの画面は文字がかすかに見えるくらい暗く、周囲の景色の方がはるかに輝くような設定に。文章の良し悪しとか、綺麗かどうかなんて考えずにただ打ち込む。何を書いたかなんてすぐに忘れてしまっていい。

言葉におこせば忘れたってよくなる。ただ言葉にすると、物事の輪郭がはっきりしすぎて見方が狭まったりもする。ちょっとした逃げ道を用意しながら、うまいこと、文字に残していけるといいね。

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